作品投稿

フリップ・トップ・ツール・スタンド

海外のDIY系の動画を見ていたときのことです。ある光景に目を奪われました。

テーブルの天板がぐるりと半回転して、別の工具が出てきたのです。

その発想と構造に仰天しました。

( ゚д゚)スゲエ…

この間わずか3秒程度。

別にその半回転する作品の紹介でもなかったので、何事もなかったように動画は流れていました。

この衝撃を受けた作品を調べようとしましたが、名前が分からない。なので検索のしようがない。どうしようもないまま、1年以上経過しました。

 

ところがある時、気になっていた作品の名前が「フリップ・トップ・ツール・スタンド(Flip Top Tool Stand)」であることを突き止めることに成功しました。そうして調べると、でるわでるわ。さすが海外、DIYの本場だけのことはあります。支柱の中にコードを這わせていたり、アレンジしたものがたくさん出てきました。

 

それらを参考にしつつ、作成することにしました。

 

■作成編■

この作品の要は天板をうまく回転させることにある、と思っていたので、端材で確認することから始めました。回転させる板と工具を支えるのは、28ミリのイレクターパイプを使いました。

このパイプを挟んでいる角材は、使わなくなって解体したソーホース(馬)の脚の部分です。

再利用できるものは、どんどん投入しています。

側板と土台を作ります。

成功するかどうか分からないので、省けるところは省いていきます。

ただいつもは軽さ優先で作るのですが、今回は重量が掛かるので、2×4で組みました。

天板と接する側板の形状を工夫します。

回転時にぐるぐる回らないように、半回転したら止まるようにストッパーの構造をもたせようとしています。

テストの割にはネジを打ち込みすぎですね。

では回してみます。

成功しました。

天板の形も四角形ではないようにしてあります。

(´∀`*)

 

半回転させることはできたので、次は使用中に元に戻らないように、回転をロックする仕組みを実装しなければなりません。できるだけスマートなやり方がいいですね。

 

試行錯誤の結果、パッチン錠を使うことにしました。

側板と天板の側面に、ふたつのパッチン錠を接合してあります。天板の側面には、それぞれ向きを変えて接合しました。

ただパッチン錠だけでは心許ない。

工具の重みでパッチン錠を接合しているネジが飛んでしまったら?

大惨事を招きかねませんよね。

(ll゚Д゚)怖ァ・・

 

もっと確かな安全策を考えましょう。

扉の上の方に角材を取り付け、天板の側面の形状を凹型にしてはどうでしょうか?

半回転させた後、扉を閉めると凹凸が噛み合って、ストッパーの役割を果たしてくれそうな気がします。

( ゚д゚)ォォ…

というわけで実行してみました。

なかなかよさそうです。

 

では、作成順序が前後していますが、工具と天板との接合について見ていきます。

ボール盤との接合は難しくないです。ボルトとナットで接合しました。

問題は糸ノコ盤です。

工具の組み合わせはいくつか候補がありました。

当初はこのスタンドを2組作る予定でした。その組み合わせで、ボール盤と卓上ベルトサンダーは使用頻度が同じくらい多いため、天板を挟んで対にしないつもりでした。そこで使用頻度の少ない糸ノコ盤をボール盤と組み合わせることにしました。

 

※孤を描く軌道で回転するので、ボール盤の頭が土台の2×4と干渉しないかを確かめつつ、作成しています。かなり疲れる作業になりました。

真後ろに穴がありますね。ここは接合できそうです。

しかし、側面にある穴との固定が難しい。

糸ノコ盤の分解も考えましたが、やり方が分からない。

できたとしても元に戻す自信がない。

ウーン (Θ_Θ;)

 

工具本体に穴をあけたくなかったので、相当苦労しつつ接合しました。

というわけで、キャスターも付けて完成しました~。

では、実用性はどうだったのかというと……。

この作品、横方向に回転しますよね? 縦方向に回転する構造だと、使用中に使用者の方へ倒れてくることがあるかもしれません。これは危険なので、物理的に起こらない構造にしたわけです。

 

すると別の問題が発生しました。

工具を切り替えるため、ぐりんと半回転させるには、左右に半回転できるだけのスペースが必要になります。つまり両サイドに物があった場合、いったん引き出した後で、左右にものがないスペースが必要なわけです。

 

たいてい作業場は散らかった状態なので、このモノのない状態を維持するのが難しい。

(あくまで私の場合ですよ)

 

果たして、この作品は使いやすいのか?

確かに使用頻度の低い糸ノコ盤を箱に閉じ込めて、木粉の被らない状態にするのは魅力的です。

「ひとつのスペースにふたつの工具を入れられるって、コンパクトで空間の有効利用に役立ちそう!」

作る前はそう思っていました。

 

結論。解体しました。

(゚Д゚)ハァ?

 

ボール盤にしろ、糸ノコ盤にしろ、けっこう重量あるので、半回転させるのも力が必要です。パイプの支柱があるとはいえ、ふたつ分の工具を回しているわけですからね。お手軽~というわけにはいきません。

そして何より、必要を強いられる潜在的なスペースが大きいということ。

 

実際に作ってみて、使い勝手を確認した上で判断しました。

というわけで、解体した木材はすでに別の作品に使ってます~。

\(^▽^)/

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4 件の返信 (新着順)
べるん
2023/01/09 07:00

流石 森の小さな工房さんですね✨
納得のいく作品を作るのが目標でもありますが、森の小さな工房さんまでの探究心は見習いたいです😅
私もジグソーガイド等の動画は楽しくてよく観ていて、失敗覚悟で挑戦してみたいと思うのですが、なかなか出来ないでいます💦


べるんさん

今回の作品は解体することになりましたが、実際に作ってみたことで、いろいろと体感できました。頭の中で考えているだけでなく、実際にやってみたことは、今後により活きてくるはず。悩んでいるのも時間を使うので、ダメ元で見切り発車してます~。
(^▽^)/

Grass艹crown
2023/01/09 01:52

背の高いボール盤を回転させたら、
「あれ❓👀💦下の箱板に当たっちゃって中に入らない😵‍💫⁉️💦」
って最初思っちゃったんだけど🤔💭
だからこその扉が付いてるのですね🚪✨
(開けてあげれば中に納められるのか🤩‼️)

森の小さな工房さんの作業場環境からすると、扉開けてボール盤回転させてってやるには、
「空間確保↔️」
的に使い勝手が悪くなってしまうのは、本末転倒だったのですね😭💦

とは言え、ここまで大掛かりな物を作られて、解体しちゃう潔さも凄いっ😭🙌💦

海外DIYerさんの動画は、トンデモな物作っちゃうのは、私も一時期目ん玉飛び出しながら観てたんだけど😳‼️✨
とてもじゃ無いけど、そこまでの技術が自分には無いから、完全にエンターテイメント視点になってしまっていましたが😍👏✨
そこに手を出せてしまう技量が付いて行けちゃうのも吃驚です🙇‍♀️✨

以前にシダーローズさんが言ってたけど、ホント平賀源内っ🤣💡🛠👍✨


Grass艹crownさん

ゆっくりゆっくり回転させて、側板の高さがどれくらいなら接触せずに済むのか? 慎重に測りました。ボール盤、けっこう重いので、ゆっくり動かすのは大変でした。

この作品、完成してから2日後には解体しはじめたような気がします。けっこうなスペースを占めていたので(見切りの決断は、けっこう早い方です)。

実は、この作品の作成に取り掛かる前、ボール盤は直接、床の上に置いていたんですね。本職の方が聞いたら怒りそう……。なので、床ではなく、きちんとした置き場所を作るのを急いでいました。

ですが、解体により、また床の上です……。
(´・ω・`)

Grass艹crown
2023/01/09 02:31

回転の干渉テストさせてる様子を、動画で頭に思い描いてみたら、ガラガラくじ引きの様子が思い浮かんでしもたよ🎰🕹️🌀🤣🙌💦
(スマセンっ💦
個人的にアレ旦那氏と私で100回まわしたことが有ったので😂💦)

解体までの決断早いなぁ〜😂⏰🔜✨‼️💦
(森の小さな工房さん的には、英断だったのか🐈💦)

床の直置き😂💦
(大丈夫だよっ🤣✨
本職の方には内緒だよっ🤫㊙️✨)

作品のカラクリさも、思考のカラクリさも、うん、平賀源ニャイなのよぉう🤣🐈🐾✨

森の小さな工房さん、こんばんは
忍者屋敷をいつか、森の小さな工房さんは作っちゃうんじゃないだろうか
と、おもいながら読み進めました。

ハリーさんのコメントにもありましたが、
まさにどんでん返しの結末でしたっ(*´□`)

読みごたえがありましたヾ(o´∀`o)ノ


葵(ひよっこ)さん

こんばんは~。
たぶん「忍者屋敷を作ります!」という動画を作成すれば、外国人受けすると思いますね~。

ハリー
2023/01/08 22:12

 凄いなぁって最後まで読んだら、何故かふりだしにもどるでした〜😲

 いいなぁ、ボール盤と、電動糸鋸🤔🤔🤔


ハリーさん

私もあれだけ苦労して調べて作って、解体する結果になるとは予想してませんでした。
ボール盤はとても静かなので、夜でも使えると思います。
軽い力でまっすぐ穴をあけられるので、とても重宝しています~。
(^▽^)/