【新・ニラ醤油麹日記(第1話 ・ニラにふられて)】
6月半ば、梅雨の午後。朝からぐずついていた天気に晴れ間が。らんらんはその隙を見て買い物に出ることにした。おりしも実家の両親も買い物に行こうとしており、父の車で一緒に乗り合わせて行くことになった。
シルバーマークのついた車を運転する父の隣で、らんらんは、過去に一度諦めてしまったあの話を思い切って切り出してみることにした。
「なぁ、うちの畑って、ニラないん?」
「ないで。作ってへんで。」
後部座席から母が即答した。
やっぱなかったんか…。
少し重くなったらんらんの心を映し出すかのように、また灰色の雲が空を覆い、ポツポツと雨がフロントガラスを叩き始めた。
ニラのことはもう忘れよう…
そう思いながら、らんらんはぼんやりと、ガラス越しの薄暗く曇った空を眺めた。
【新・ニラ醤油麹日記(第1話 ・ニラにふられて)】
6月半ば、梅雨の午後。朝からぐずついていた天気に晴れ間が。らんらんはその隙を見て買い物に出ることにした。おりしも実家の両親も買い物に行こうとしており、父の車で一緒に乗り合わせて行くことになった。
シルバーマークのついた車を運転する父の隣で、らんらんは、過去に一度諦めてしまったあの話を思い切って切り出してみることにした。
「なぁ、うちの畑って、ニラないん?」
「ないで。作ってへんで。」
後部座席から母が即答した。
やっぱなかったんか…。
少し重くなったらんらんの心を映し出すかのように、また灰色の雲が空を覆い、ポツポツと雨がフロントガラスを叩き始めた。
ニラのことはもう忘れよう…
そう思いながら、らんらんはぼんやりと、ガラス越しの薄暗く曇った空を眺めた。
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らんらん
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2024/06/19
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