【新・ニラ醤油麹日記(第18話・もうひとつの計画)】
宮崎さんと高知さんに出会うずっと前からあった、あの大きな瓶…、今はもうその中に、ネギ塩麹の姿はない。
洗って再び煮沸された瓶は、まるで新品のようだったが、蓋には僅かにネギ塩麹の香りが残っていて、何度洗っても、熱湯に浸けても、決して消え去ることはなく、跡形もないネギ塩麹が、確かにそこに存在したことを物語っていた。
ニラ醤油麹の物語とて、本来ならば全てこの瓶の中で起こり、そして終わる出来事のはずだった。
さらに今、宮崎さんと高知さんが入っている瓶の一つは、実は、らんらんがこれからやろうとしている、その目的のために準備されたものだった。
だから、躊躇うことなど何もない。
最初から決まっていたことをただやるだけ。
それはネギ塩麹との日々が始まる前から決まっていたこと…
「そうだよ。今さら迷う理由なんて何もない。君は最初からそうするつもりだったんだろう?」
瓶の蓋から漂う残り香も、らんらんにそう語りかけているようだった。
【新・ニラ醤油麹日記(第18話・もうひとつの計画)】
宮崎さんと高知さんに出会うずっと前からあった、あの大きな瓶…、今はもうその中に、ネギ塩麹の姿はない。
洗って再び煮沸された瓶は、まるで新品のようだったが、蓋には僅かにネギ塩麹の香りが残っていて、何度洗っても、熱湯に浸けても、決して消え去ることはなく、跡形もないネギ塩麹が、確かにそこに存在したことを物語っていた。
ニラ醤油麹の物語とて、本来ならば全てこの瓶の中で起こり、そして終わる出来事のはずだった。
さらに今、宮崎さんと高知さんが入っている瓶の一つは、実は、らんらんがこれからやろうとしている、その目的のために準備されたものだった。
だから、躊躇うことなど何もない。
最初から決まっていたことをただやるだけ。
それはネギ塩麹との日々が始まる前から決まっていたこと…
「そうだよ。今さら迷う理由なんて何もない。君は最初からそうするつもりだったんだろう?」
瓶の蓋から漂う残り香も、らんらんにそう語りかけているようだった。
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らんらん
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2024/07/10
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